価格(税込) ¥ 12,731
【作品イメージ】
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静寂に抱かれる
湖のほとり
風が運ぶ
赤き思念の香り
星屑揺れる
炎の髪よ
水の精は語る
種を超えた愛を
***
ある日、村人の若者アルヴィンは狩りの途中、深い森の中で道に迷った。
澄んだ歌声が風に乗って彼の耳に届き、その音色に導かれるようにして辿り着いたのは、静寂に包まれた湖のほとりだった。
そこにいたのは一人の美しく神秘的な存在——セリアナ。
薔薇の精霊と湖の精霊の愛から生まれたその名の通り、彼女は二つの性質を併せ持っていた。
彼女の髪は燃える炎のように赤く揺れながらも、風に吹かれるたびに星屑のような光を散らした。
耳元から肩へと流れる透き通る翼のようなヒレは、水面を泳ぐ魚の尾ビレのように優雅に揺れ、その姿は儚くも神秘的だった。
アルヴィンが彼女を見た瞬間、彼の心は凪いだ湖のように静まり返った。セリアナは驚きながらも微笑み、優しい声で言葉をかける。
その声に聞き惚れたアルヴィンは、彼女の優雅で儚げな姿に心を奪われていった。
それから幾月もの間、アルヴィンは毎日彼女に会いに行った。
彼の想いは日に日に深まり、それはセリアナも同じだった。
しかし、彼らの家族や種族は、人間と精霊が交わることに反対していた。
ある日、セリアナは静かに告げた。
「アルヴィン、もう戻ってはならないわ。人間と精霊の世界は異なるもの。交わることは叶わないの……。」
しかし、アルヴィンは迷うことなく言った。
「それはわかっている。だけど、僕は君を愛している。ただ一緒にいたいんだ。」
彼は何度も彼女を探し、この場所を訪れ続けた。
そしてある夜、セリアナはついにアルヴィンの想いを受け入れる決意をした。
「私たちが共に生きるには、お互いの種族から離れるしかないわ。あなたには、その覚悟がある?」
アルヴィンは迷うことなく頷いた。
「君と一緒にいられるなら、どんな運命も受け入れるよ。」
セリアナは静かに微笑み、耳元のヒレにそっと手を添えた。
その瞬間、あたりの空気がゆらぎ、水面に映る月が波紋とともに広がっていく。
彼女はアルヴィンの手を取り、湖のほとりへと導いた。
「この水の中に、もう一つの世界への門があるの。そこを越えれば、私はあなたと生きられる。でも……」
彼女の瞳に悲しげな光が宿る。
「私は精霊としての力を失い、二度とこの場所には戻れない。あなたも、元の世界に帰ることはできなくなる。」
アルヴィンは彼女の手を強く握りしめた。
「それでも、僕は君を選ぶ。」
セリアナは深く頷き、二人はゆっくりと湖の中へと足を踏み入れた。
水が足首を包み、膝まで達する頃には、彼らの身体は光の粒子となって溶けていく。
やがて二人の姿は湖面から消え、水の精霊の門は静かに閉じられた。
翌朝、アルヴィンの村の近くに、一輪の薔薇が咲いていた。
それはセリアナの髪の色と同じ深紅に染まり、風に揺れるたびに儚く光を放っていた。
その花こそ、セリアナとアルヴィンが残した家族への別れの証であり、彼らの愛を象徴する奇跡の花だった。
それ以来、村人たちはその花を「精霊の契りの薔薇」と呼び、愛し合う者たちの永遠の象徴とした。
そして、どこか遠く、湖の向こうの世界で——セリアナとアルヴィンは寄り添いながら、新たな人生を歩んでいた。
彼らの愛は形を変えながらも、時を超えて永遠に続いていく。
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この作品は”Mystique in Bloom”というオリジナルコレクションの作品の一つで、
「幻想的な世界観の中にある花々とMystique(神秘)」をイメージしています。
【作品について】
私が個人で製作したオリジナルの作品です。
原画ではなくキャンバスにプリントした作品となります。
手作業による製作工程にAIツールを加え、心を込めて製作しています。
一点ものとなりますので、裏面にサインとシリアルナンバーを入れさせていただきます。
この作品を気に入っていただけましたら嬉しいです。
【重量】
150グラム前後
【材質】
綿化繊混紡、桐材木枠、UVインク
☑ 画像はイメージとなりますので、色味や質感が実物と若干異なる場合がございます。
☑ 受注製作になりますので発送までに3日前後頂いております。
☑ 発送時の梱包材にリサイクル品を使用させて頂く場合がございます。
詳細情報
作成日 | 25.02.20 |
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額装 | 額装なし |
技法 | 綿化繊混紡、桐材木枠、UVインク |
基底材 | キャンバス・パネル |
サイズ (長辺 x 短辺 x 厚さ) |
273 mm x 220 mm x 18 mm |
重さ | 1kg未満 |
サイン | サインあり - 裏面 |