理髪店

不条理な日常の中で、私は理髪店の待ち時間に油絵の世界に浸ることがよくある。その独特の空気感、美的な世界に身を委ねることで、現実の不合理さから一時的に逃れることができるのだ。

理髪店は、時間がゆったりと流れる場所だ。待ち時間が長く感じられることもあるが、その時間を無駄にすることなく、私は油絵を描くことで充実させる。理髪師が髪を整える手際の良さと、周囲の会話が混ざり合いながら、私は自分の内面に向き合う。

そんなある日、理髪店で描いていた油絵の中に、不条理な風景が浮かび上がった。それは、空に浮かぶ巨大なティーカップと、その中に無数の時計が漂っているような光景だった。周囲の人々は驚き、不思議そうな表情を浮かべたが、私はその中に自分だけの平穏を見つけた。

日常の中には理解不能な出来事があふれている。だが、その中で私は油絵を通じて自分なりの解釈を見出す。理髪店の静謐な空間が、私にそんなひらめきをもたらすのだ。

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