まどろみソーダ “Retrace”

　創作詩「まどろみソーダ」を起点に、手指とガラスボトルの形象をたどり直した作品です。
　炭酸の泡ではなく「流れ」に焦点を当て、まとわりつく微細な刺激に感覚をゆだねながら、ぼんやりと記憶を遡っていく──その、心地よい逃避の感覚を色層に重ねました。
　一方で、手指の動きには、立ち上り逃げていく泡の“流れ”を掴もうとする迷走の気配も残しています。

＊サイン：側面にあり

◆創作詩「まどろみソーダ 」
https://note.com/jolly_frog576/n/n630f0868e0a9

◆ステートメント
　情報・期待・役割が過密化する現代では、怒りや不安、焦りなどの “負に傾きやすい情動” を抱えながらも、それをどう扱えばよいのか分からず内に留めてしまう人が多い。
　見過ごされがちな情動の揺れを、線・形・色・質感の対比として抽象的に可視化することで、鑑賞者が自身の内側に沈殿している感情に気づき、そっと触れられるような「余白」を生み出したいと考えています。

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